攻撃時の原則「ボールをゴールに近づける」のなかで、最終的にはペナルティエリア内の相手がいない場所へボールを運んでいきたい(フィニッシュ)という話をしました。
フィニッシュとは「ボールをゴールに近づける」という原則の最終段階なので、今回はその前段階について解説していきます。
ビルドアップ
大事なことなので何度も書きますが、攻撃の原則は「シュートを打つ」で、ゴールに繋がる確率が低い場合は「ボールをゴールに近づける」でした。
後方からの組み立てという意味で、「ビルドアップ」という言葉を使うことが多いのですが、はっきりと定義づけされているわけではなく、組み立ての方法や戦術を指したり、それに伴う各ポジションごとの動き方を指したりする場合もあります。
どういうことかというと、人によって解釈が違うということです。
なので、僕はビルドアップという言葉をあまり使いません。
代わりに「前進する」小学生に対しては「ボールを前に運ぶ」という表現をします。
前進する
ボールを前に運ぶと、フィニッシュにいける確率が上がります。
それはなぜかというと、ゴールに繋がるフィニッシュのうち、90%ほどがアタッキングサード内を起点とするものだからです。
アタッキングサードとは、コートを縦に3分割して、相手ゴール側をアタッキングサード、真ん中をミドルサード、自ゴール側をディフェンシブサードとして分けた時の呼び名です。
パスであれば、ラストパスを出した地点。
ドリブルであれば、ドリブルを開始した地点。
これがアタッキングサード内からによるものだと、ゴールに繋がりやすいというデータがあります。
先ほど、90%ほどがアタッキングサード内からだとお伝えしましたが、ミドルサードが約10%になるので、ディフェンシブサードを起点とするゴールはほとんどない。ということになります。
ごくごく稀に、自陣からドリブルを開始してゴールを決めてしまうようなプレーもありますが、これは特例中の特例とでもいうべき、スーパーゴールになります。
つまり、ゴールという目的のために、いくつかの目標があって、まずはシュートを打つ。
シュートが入らなさそうな時は、ペナルティエリア内の相手に邪魔されない場所へボールを運ぶ。(フィニッシュを狙う)
アタッキングサードからフィニッシュに繋げると、得点の確率が高くなるため、ミドルサードやディフェンシブサードでボールを持っているときは、アタッキングサードへボールを運ぶ。(前進させる)となります。
当たり前のことだと思いますが、できるだけ相手ゴールに近い位置の方が、得点の可能性が高くなるということです。
まとめ
アタッキングサードへボールを運ぶことが、間接的にゴールに近づくということを、理解できたでしょうか。
それはもちろん、アタッキングサードからフィニッシュに繋げると、得点しやすいからです。
(最終的にシュートを打たなければ、得点にはなりませんが)
「前進」→「フィニッシュ」→「シュート」→「ゴール」となります。
各フェーズにおける、具体的な方法はたくさんありますが、基本的な攻撃の流れ(得点への道筋)としてはこのような形になります。
もちろん、原則としての順番があるので、キーパーがいないなど、遠くからでもシュートを打てば入るような状況ではシュートを打つべきですし、チャンスがあればフィニッシュに繋げることを忘れてはいけません。
次の記事では「シュートを打つ」「ボールをゴールに近づける」の次に当たる原則「ボールを相手に渡さない」ということについて、書いていきたいと思います。