指導者として

健康

人生100年時代と呼ばれ、大事なのは健康寿命です。

仮に100歳まで生きることができたとして、80歳で施設に入り、残りの20年を寝たきりのような状態で過ごすのって、なんだかもったいない感じがしませんか?

また、厚労省の調査によると、日本では毎年約5万人もの方々が、運動不足が原因でなくなっているそうです。

1位は喫煙、2位は高血圧、3位が運動不足となっていますが、4位の食事摂取までを入れると、これらを原因とする疾患などにより亡くなってしまう人が、ほとんどとなります。

つまり、運動をするということは、長生きするために重要な要素の1つなのです。

例えば、小学生にサッカーを教えている、ある指導者の言動(試合中や練習中の暴言など)で、その子はサッカーを嫌いになってしまい、中学校ではサッカーを続けることなく、やめてしまったとしましょう。

暴言が原因ではなくても、指導者が嫌いでサッカーも嫌いになってしまった。

という話は、意外と身近にあると思います。

これは、ただ単純に「サッカーをやめてしまった」という話ではない、ということです。

その子はサッカーを嫌いになり、それから身体を動かすことも苦手になってしまいました。

学校を卒業してからも運動嫌いは変わらず、在宅ワークで働ける職場に就職しました。

職場も自宅で、だんだんと外出するのが面倒になり、体力の低下や肥満などの変化が現れてきました。

しかし、生活スタイルは変わらず、60歳を迎える前に心疾患によって亡くなってしまいました。

かなり極論というか、全てを悪い方向に考えていった結果ではありますが、その子がサッカー(運動)を続けていれば、将来得ることができたかもしれない「何十年」という未来の時間を奪ってしまっているということになります。

当然、生活習慣や運動不足など、自分で変えようと思えば変えられる部分はあると思いますが、指導者が原因でこういった事態を招いてしまうかもしれない、ということは頭の片隅に置いておいてください。

運動が大事だということは、プロを目指して、強度の高いトレーニングを一生続けろと言っているのではありません。

それぞれに適したステージで、無理なく運動を続けていくことが、健康で長生きすることに繋がっていきます。

関わる選手が小さければ小さいほど、身体を動かすことやスポーツの楽しさを伝え、その子の人生がより良いものになるように、僕たち指導者は関わっていかなければなりません。

サッカーを経験してきた方であれば、当然サッカーを通して学んでほしいでしょう。

その中で、勝負事なんだから、楽しさだけじゃなくて勝ちを求めて取り組むべきだ!

といった意見があることも理解していますし、それもスポーツに対する考え方の1つだと、僕自身も思っています。

ただ、勝ち負けで全てが決まるとも思っていないので、健康で生活するためには運動を続けることが1番だと感じてしまうわけです。

指導者は、関わっている選手の何十年という未来に触れているかもしれない、という意識を持って取り組みましょう。

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