指導者として

自立

サッカーは自分で考え、選択・決断し、実行するスポーツです。

試合中に大まかな役割があるにせよ、一人一人の判断にそのプレーが委ねられています。

なので、誰もその選択を否定することはできませんし、選択する権利を奪うことも許されません。

サッカーというルールの中で、多くの自由が与えられているからこそ、自分で考えて行動する力が求められます。

自立とは

僕が考える自立とは、この「自分で考えて行動する」ということになります。

そして、これはピッチの中だけではなく、ピッチの外でも表現しなければなりません。

そもそも、サッカーをプレーするのは人間です。

誰かがコントローラーを握って、その人の思うままにプレーをさせる訳ではありません。

一人一人に「心」が存在し、その「意思」によって動きます。

その「意思」を決定できるのは、他でもない自分自身だけなのだということを理解してもらいたいのです。

それと同時に、自分自身で決定した行動だからこそ、責任も全て自分にある。

ということも、理解してもらいたいです。

よく「お前が呼んだからパスをしてミスになった。お前が呼ばなければミスをしなかったのに」という発言をする選手がいます。

自分のミスを他人のせいにするならまだしも、ひどい選手となると「お前のせいでミスした。悪いのはお前だ!」と、自分のミスを仲間のせいにしたうえ、さらに仲間を攻撃してしまいます。

こう考えているうちは、選手として成長することはできないでしょう。

味方に呼ばれたからと言っても、最終的に「パスをする」と決断したのは自分自身です。

誰かが超能力で身体を乗っ取ったわけでも、魔法にかかってしまったわけでもありません。

「自分の行動の結果は、全て自分で選択・決断したものなんだ」という認識を持ってもらうためにも、主体的に「自分で考えて行動する」という「心」を身につけてもらいたいです。

では、選手が自分で考え行動できるようになるために、僕たち大人はどうすれば良いのでしょうか?

基本的な考え方は「自分のことは自分でやらせる」ということです。

生まれたばかりの赤ちゃんを想像してください。

まったく自立なんてできていません。

そこから少しずつ「自分で考え行動する」例えば、お母さんのおっぱいが飲みたいと思って、一生懸命探したり、周りのものに興味が出てきて身体を動かし始めたり。

そして、自分でご飯を食べるようになり、歩き出し、走り回るようになっていくのです。

これが自立です。

自立とは「自分で考え行動する」こと、そして「できないことができるようになる」のは「成長」だと考えています。

成長するために、自分で考えて行動する。

失敗したら、次のやり方を考えて試してみる。

できないことができるようになりたいと、自分でたくさん考えて行動する中で、必ず失敗を経験する場面があると思います。

その失敗を通して、自分の行動に対する責任を学んでいくことになるのです。

そして、諦めずに行動を続けていると、どこかで必ず「成長」するタイミングがやって来るという流れになります。

つまり「自立」を通して「成長」していくことになり、こうした「自立」と「成長」の数が、人としての土台を広げていくことに繋がっていくのです。

こんな言葉をご存じでしょうか。

「心が変われば言葉が変わる。言葉が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば性格が変わる。性格が変われば運命が変わる。」

あまりにも有名な言葉なので、ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、自分自身を成長させるためには、自分の心を変えるしかありません。

「自分で考えて行動するんだ」という自立心を身につけることで、自分の運命を変えていくことができると信じています。

僕たち指導者は、選手がより良い人生を送れるようになるために、サッカーを通じて自立させていくことが必要です。

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