原理原則とは
サッカーにおける原理原則について解説する前に、まずは原理原則という言葉の意味を考えたいと思います。原理原則とは、分解すると「原理」と「原則」という言葉に分けられますので、それぞれ解説していきます。
原理
原理とは、哲学的な考え方から言うと、「議論を展開する際にあらかじめ置かれるべき言明」となっているようです。
難しい言葉で書いてあるので、結局どういうことだ!ってなりますよね。
僕の解釈としては、物事を考え始める際の「前提条件」だと思っています。
つまり、自分の方針や土台となる考え方のことです。
その人(チーム)らしさというイメージで良いと思います。
原則
原理と重なる部分でもありますが、「原」という字には物事の始めという意味があります。
「則」という字には「決まり」という意味がありますので、原則とは「根本的な決まり」になります。
根本的な決まりと聞くと、絶対的なルールのように思えてしまうかもしれませんが、それよりは「基本的な決まり」といった捉え方で良いと思います。
つまり、状況によっては例外があるというこということです。
サッカーでは?
原理原則という言葉の意味は、なんとなく理解されたかもしれませんが、結局これがサッカーにどうつながるのか。という部分が大事になってきますよね。
サッカーにおける原理原則で大事な部分は、「原理」つまり、考え方になります。
何かを積み上げる際の土台のようなもので、原理という土台の上に原則が成り立っています。
ひとつバルセロナを例にしてみましょう。
「自分たちがボールを保持している限り、相手は攻めることができないのだから、失点することはない」
これは、今は亡きヨハン・クライフ氏の言葉ですが、こういった考え方があるからこそ、原則という名の基本的な決まりが成り立ちます。
例えば「味方がボールを持ったときは、必ず後ろに逃げ道を用意しておく」という決まり。
これは、ボールを保持していたいという原理の上に成り立っている原則になります。
これが、違う原理を持つチームだとどうでしょう?
「ボールは失ってもいいから前に運べ。運んだ先で奪われても、奪い返せば良いだけだ」
こういう考え方を持つチームの場合、後ろに逃げ道を用意しておく必要はなくなります。
むしろ「ボールりも前に行く」という決まりが、原則として必要になってきます。
これは非常に極端な例ですが、サッカーにおける原理原則を語る際に、この原理の部分が抜け落ちてしまい、原則のみを語っていることが意外と多いので、注意が必要です。
また、今の例を使うと、原理だと考えていたものが実は原則であることも考えられます。
試合に美しく(たくさん点数を決めて)勝つという原理があるチームにとっては、原則として「ボールを保持して攻撃の回数を増やす」といった決まりがあるかもしれません。
この場合、たくさん点数を決めて勝つためであれば、例外的にボールを保持しないことも考えられるのです。
ちょっと複雑な話になってしまいました。スルーしてもらって大丈夫です。
結局は、なぜ決まりがあるのか。なぜ、今のプレーを選択したのか。
その理由を問い続けることで、原理となる考え方を理解していきましょう。ということです。
本質から考える
では、原理原則を本質から考えてみたいと思います。
サッカーの本質とはスポーツであり、スポーツとは楽しむべきものだという考え方である一方、楽しみ方が多種多様であるということは、先の記事で書きました。(サッカーの本質とは)
どういった楽しみ方をしたいのか。
これが原則を決めていく上での原理、前提条件になります。
例えば、試合後の飲み会を楽しみにサッカーをするのか。
サッカーを通して痩せていくことが楽しいのか。
これらであれば、試合結果などは二の次ですので、原則としては「ケガをしない」とかになってくると思います。(10年後の僕はこうなっているかもしれません)
こういった考え方のチームで、試合に勝つための原則を追い求めても、上手くいかないのはなんとなく想像できるでしょう。
これはプロであろうと育成年代であろうと、土台となる考え方が重要であることに、変わりはありません。
今一度、どんな楽しみ方をしたいのか。
チームの原理から、考え直してみてください。
試合に勝つために
10年後にどうなってるかは分かりませんが、今の僕が考えるサッカーの楽しさは「仲間と協力して試合に勝つ」ですので、そのための原則を今後は解説していきたいと思います。